絵文字屋さん
小久保の無償トレードに王監督激怒
王監督、激怒!日本一のダイエーが“崩壊”の危機を迎えた。ダイエーは3日、福岡ドームで記者会見し小久保裕紀内野手を無償で巨人へトレードすると発表。オーナー会議が行われた10月31日に中内正オーナーが巨人・渡辺恒雄オーナーに申し入れて成立したものだが、四番打者を無償という極めて異例の形で放出する電撃トレード。王貞治監督は球団への怒りをあらわにするとともに、球界への悪影響を懸念した。
精神的な支柱でもあった四番打者が極めて異例な形でチームを去る。よもやの無償トレード。午前10時すぎ、緊急会見に臨んだ小久保は硬い表情のまま、中内正オーナーは涙ながらに理由を説明した。
「昨年ぐらいから本人がどうしてもステップアップしたいという希望を持っていた。小久保君に有利にするため無償でする」。青学大の後輩でもある主砲を手放す無念さとともに、小久保本人が移籍を希望し、それを認めざるを得なかった“やるせなさ”がのぞいた。小久保の今季年俸はチーム最高の2億1000万円。身売り話が絶えないように球団経営はひっ迫しており、故障で1年間働けなかった選手にこれ以上の高額年俸は払えない。球団と小久保の間には手術費用をめぐるあつれきもあった。中内オーナーは小久保が巨人との契約で現状の年俸をできるだけ維持できるよう無償としたが、その背景には功労者を金銭で売ったと見られたくないとの思惑もある。そんな不可解なトレードに、王監督は黙っていられなかった。
「来季は四番で使う予定だった。大きな痛手だ」。この日から始まった秋季キャンプのため宮崎入りした指揮官は、語気を強めた。200本塁打以上している選手が何の見返りもなく他球団へ移ったことなど、これまで球界に例はない。交換要員を求めない上、代替選手を獲得する資金も要求しなければ戦力が低下するだけだ。指揮官は「疑念が残る。あしき前例になってはいけない」とまくし立てた。
ある意味、球団が選手を抱えきれず保有権を放棄したとも見られかねない無償トレード。「(球団が)保有権を持ってるのにチームから出られるというのがまかり通ってはならない」。FA制度そのものを脅かす可能性すらある。野球人の一人として球界への悪影響も懸念した言葉だった。
それだけではない。FA宣言する意向を表明した村松やメジャー移籍を希望している井口に影響を与えることも必至だ。今季、小久保に代わって四番を打った選手会長・松中は「球団にふざけるなと言いたい。この球団は勝ちたくないんでしょう。来年、連覇したいという気持ちは急激に薄れている」と不満をぶちまけ、指揮官は最後にこう言った。「井口、村松もいなくなったら先行きチームが存在しなくなる」
歓喜の日本一からわずか6日。小久保の突然の放出で、身売りどころか球団の存続自体が揺らぎ出した。
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