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カネボウ買収で業界形勢一変
花王とカネボウが31日、カネボウの化粧品事業を花王が完全買収する方向で最終調整に入った。化粧品事業で売上高が国内4位の花王が2位のカネボウをのみ込み、トップの資生堂に挑む構図で、平穏だった業界地図は一変する。ただ、対照的な企業文化の融合など克服すべき課題は多い。
両社は昨年10月、合弁方式による化粧品事業統合計画を発表、新たな共同出資会社への出資額などを交渉していた。経営再建中のカネボウが04年3月期に債務超過を解消するには、花王からの出資が必要で、後がないカネボウが花王と対等に交渉するのは困難とみられていた。結局、花王の出資額などで折り合いがつかなかったが、債務超過を避けるため、カネボウは名実ともに化粧品事業を花王に明け渡した。
花王は、家庭用品では国内最大手で22期連続増益中。しかし「将来の利益につながる投資は不十分」(市場関係者)とも指摘され、4000億円程度とみられる今回の買収で、本格的に攻めに転じる構えだ。
ただ、化粧品は典型的な「多品種少量生産」商品。会社名よりブランド力で勝負が決まり、百貨店、専門店、量販店などの販売経路ごとのきめ細かいブランド戦略も不可欠だ。量販店向けを得意とし、在庫などを情報技術で一括管理する花王流の効率経営が、伝統的なカネボウの製造・販売現場を塗り替え、化粧品業界でも通用するかどうか不透明だ。
花王に対しては「データを重視する一方、人間関係がものを言う専門店との付き合いは淡泊」(大手化粧品メーカー幹部)との指摘がある。このためカネボウの販売現場での強みを維持できるかどうかが課題になる。
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