ざっくりかん
「プロジェクトX」やりすぎ演出
NHKの人気ドキュメンタリー番組「プロジェクトX」の放送内容をめぐり、事実と異なる点があるとして、大阪府立淀川工業高校がNHKに謝罪と訂正を申し入れたことが23日、分かった。同校は、5月10日放送の「ファイト!町工場に捧げる日本一の歌」で舞台になったが、23日夜に記者会見を開き、重ねて抗議。NHK側は「表現の一部に行き過ぎた点があった」として、同番組の公式ホームページからこの放送分の内容を削除した。
問題となった番組は、昭和50年代の淀川工業高校が舞台。荒れる生徒を多く抱えた学校に新人教師が赴任し合唱部を設立。その合唱部が全国大会で金賞を獲得するまでの話となっている。
しかし、放送後、内容の一部に卒業生らから「当時、学校は荒れていなかった」との訴えがあった。同校の長谷川耕三校長が19日、事実と異なる部分があるとNHKにメールで申し入れ書を送った。そこには事実関係の確認だけでなく、再放送の取りやめなども盛り込んでいる。
この日の会見では、長谷川校長が「退学者は毎年80人」「コンクールの会場にパトカーが来た」などという内容が事実とは異なっていると強調。「制作過程で何度かディレクターに事実と違うという話をした。4月末の最終収録でNHKから“これでよろしいですか”と聞かれ、顧問の先生は何も言えなかったようだ」と話した。
NHK広報局では、具体的には「荒れに荒れた学校」などという表現を挙げ「事実と大きく違う点はなかったと考えているが番組の表現で少し行き過ぎはあったので、学校側にもそういう説明をさせていただいた」とした。
番組は“NHK本体”の番組制作局が作り、当時の関係者複数を取材して構成。当時の記録や文書は残っておらず、関係者の記憶をもとに制作したという。
NHKは昨年から続く職員の不祥事で、受信料の支払い拒否・保留が続出。先月25日には理事が一新され、橋本元一会長のもと「信頼回復」と「再生」への道を歩み始めたばかりだった。その矢先に今月19日には制作局職員の新たな制作費着服約470万円が発覚。さらせに看板番組「プロジェクトX」の“やり過ぎ演出”が明らかになり、新生NHKにとっては苦しいスタートとなってしまった。
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