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円楽が第一線からの引退を明言
落語界の大御所、三遊亭円楽が25日、東京・国立演芸場の「国立名人会」出演後、第一線からの引退を明言した。「芝浜」を演じた後に会見し「だめでした。こんな調子で恥をかきたくない。今日が引退する日ですね」と引退宣言。一昨年10月に軽い脳梗塞で倒れ、昨年4月に日本テレビ系「笑点」の司会を降板した。今後は一門会などで「座談などには出演したい」と話した。
この日、円楽は引退をかけて「芝浜」に臨んだ。一昨年10月に倒れ、昨年4月に「笑点」を降板。その時も引退を示唆したが、「まだできる」との周囲の声に押され高座復活の道を模索した。昨年10月に大阪で「紺屋高尾」、今年1月に飛切落語会で「出世の鼻」を演じたが、思うような出来ではなく、この「芝浜」の出来次第で引退するかどうかを決めると公言していた。
満員の約300人のファンを前にくすぐりを随所に入れて40分間演じたが、直後の会見で「だめでした。こんな噺(はなし)をお客さまの前でやるのは情けない。今日が引退する日です」と引退を口にした。自宅で「芝浜」を1日3回練習し「これなら大丈夫かな」と思っていたという。しかし、「もう少ししゃべれると思ったが、ろれつが回らず、噺のニュアンスもうまくいかなかった。慈善事業ならいいが、入場料を取ってやるには恥ずかしい。80点、90点の出来なら今度もとなったけれど、こんな調子で、また恥をかきたくない」とまで言った。何件かの出演依頼があるが「もう出ません」と断るという。
1月の「出世の鼻」より良くなったが、高いレベルを求める円楽のプライドが許さなかった。「2割5分や3割ではダメ。10割じゃないと」。20年間入れ歯の不具合に悩み、56歳の時から人工透析に週3回通い、一昨年は脳梗塞で倒れた。満身創痍だった。「骨折は治るけれど、こればかりはこれから良くなるということはないから」。
円楽一門は孫弟子まで含めると約40人。現役は引退するが、一門の結束は堅持していく。「普通の会話なら大丈夫。一門会などで気分が良ければ、座談やトークならしてもいいね」。昭和の名人と言われた先代桂文楽が高座で言葉に詰まり、そのまま引退したが、今回のように高座直後に自ら引退表明したのは初めて。
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