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造反の安治川親方辞職へ
大相撲の安治川親方が2日夜、東京・江東区の大嶽部屋で会見。「借株」の身でありながら、1日の理事選挙で立浪一門の意向を無視して貴乃花親方に投票。その責任を取って3日に日本相撲協会に退職届を出すことを明かした。理事選挙で2人の造反者を出した立浪一門は、2日連続で一門会を開催。犯人捜しに躍起になっていたが、親方退職という衝撃的な結末を呼んでしまった。
大波乱だった理事選挙の余波は収まっていなかった。2日午後11時半から大嶽部屋で会見した安治川親方は、理事選挙で貴乃花親方に投票したことを明かし「自らのケジメとして協会を退こうと思います。貴乃花親方に1票入れて、借株で貸していただいている親方、いつもお世話になっている親方にもご迷惑をかけました。一門という家族の和を乱してしまった。申し訳ない」と話した。
立浪一門は理事選挙で造反者2人を出した。苦戦が予想された貴乃花親方に2票が流れ、結果として6期12年を務めた大島親方が落選した。まさかの展開に開票直後、9人による緊急会合を開催。2日午前も両国国技館で反省会と称した、事実上の犯人捜しの会合を行った。
投票権を持つ19人のうち14親方が出席。安治川親方は、この会合で貴乃花親方に投票したことを報告した。「やはり、かなりの波紋を呼びました。かなり重大なことと分かりながら“自分が8票目になれればいいかなと思いながら入れました”と言いました」と明かした。大島親方にも謝罪したが、同親方からは「まあ、いいから」と声をかけられたという。
立浪一門の宮城野部屋に所属し、横綱・白鵬の兄弟子でもある安治川親方は07年九州場所後に引退し、年寄株は伊勢ケ浜部屋の幕内・安美錦が所有する「安治川」を借りていた。今回は大島親方に投票することになっていたが、二所ノ関一門を離れて出馬した貴乃花親方の心意気に感銘を受けた。「(貴乃花親方の)インタビューを見て勇気と心意気という言葉を聞いたとき、この人なら何かしてくれるという思いが強くなった。自分の立場が分かっていたから迷いましたけど最後は頭より心で動いてしまった」。貴乃花親方に事前に相談したことは否定した。
安治川親方はいつ退職に追い込まれてもおかしくない「借株」親方という、比較的立場の弱い身でもあった。だが、自らの人生と引き換えにしてまで、貴乃花親方に思いを託した。「反省はしてますけど、今はすがすがしい」と語るが、結果的には一門の厳しい締め付けの犠牲者となった。復帰の可能性はないが「(今後については)これから考えたい。改革、改革と言ってるけど、できればその一員になれたらなと思う」と相撲界への愛情を口にしたあたりに無念さがにじんだ。
安治川親方の退職で、一連の造反騒動は新たな局面を迎えた。一門制度の崩壊は序章にすぎないかもしれない。
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