動く絵文字
原発事故で誤報と訂正頻発
東日本大震災による福島第1原発事故で、東電は27日、2号機タービン建屋にたまった水の放射性物質の濃度が通常の原子炉の水の約1000万倍だったと発表した。原子炉内から大量の放射性物質が外に出ている懸念が高まったが、原子力安全委員会などが数値に疑義を表明し再評価を求めたところ、分析結果の誤りを認めた。原発が危機的状況にある中、東電は誤報と訂正を連発しており、“制御不能”状態となっている。
東電は27日午前の会見で、2号機地下のたまり水の分析結果を発表。半減期が53分と短い放射性ヨウ素134が1立方センチ当たり29億ベクレル含まれると明らかにした。
通常の原子炉の水に含まれる放射性物質の約1000万倍という高濃度。作業員3人が被ばくした24日の3号機のたまり水(同約1万倍)に比べてもはるかに高い。
ところが、原子力安全委員会から「高すぎて疑義がある」と再評価を求められ、同日夜、「別の放射性物質と間違えていた可能性がある」として当初の発表を撤回。東電の分析能力の信頼性に疑問符が付いた。28日未明、再分析した結果として約10万倍の放射性物質が検出されたと発表した。
東電本店では第1原発での事故発生以来、断続的に会見が開かれているが、訂正を頻発。21日には広報担当者が「きのう、2号機のドライベントは16〜17日と話したが、確認したところ15日だった」と事もなげに前言を撤回。ドライベントは、原子炉格納容器内の圧力上昇などに対応するため、放射性物質を含む容器内の蒸気をそのまま外部放出する非常手段。原発外の環境にも大きな影響を与える事態にもかかわらず、東電側はその重要性をやり過ごそうとした。
26日午前には、東電福島事務所が1号機のタービン建屋で18日にたまった水面から高い放射線量を検知したと発表。しかし、午後に本店が、2号機を1号機と誤っていたと訂正した。
原子力資料情報室核燃料サイクル担当の沢井正子さんは「実際に(放射性物質の濃度測定などの)作業をするのは下請け会社で、東電は調査結果や上がってきた情報が正しいのかを判断する能力もない。事故は起きないという前提のもとで社員教育を怠ってきたからだ」と指摘した。
Doがぞう